月下美人

私の中の時計が 音も立てずに動き出す

朽ちた樹々に絡みつく 私を蝕む想い

 

この姿を貴方に届けたくて

私はそっと顔を上げるわ

自分の何かを消耗して

少しの勇気が心を支配する

 

恋をした 永遠など無くて

恋をした 今しか無くて

恋をした 今を生きて

恋をした 今を感じて

 

私の名前が 貴方に届く事は無い

金木犀の香りに 霞んでしまうから

 

綺麗に飾られた姿の代償は

明日を知る事が許されない

それでも貴方に伝えたくて

生きたいと願うのです

 

恋をした 明日など無くて

恋をした 今しか無くて

恋をした 今を生きて

恋をした 今を伝えて

 

恋をした

 

恋をした 永遠など無くて

恋をした 今しか無くて

恋をした 枯れゆく私に

恋をした 貴方は恋をした